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板金・樋工の仕事内容

板金・樋工

薄い金属板を加工する仕事を板金と言います。自動車のボディを修理する板金工や、工業板金、屋根や外壁、雨樋などの工事・リフォームを手がける建築板金工などがいます。

センスと熟練による技術

板金の仕事とは、銅やアルミなどの金属の板を加工していくもので、何種類ものハンマーやペンチ、「絞り加工」という技術を使います。絞り加工は、凸型で金属板を凹型にプレスして容器を作る加工です。
板金の仕事は、工具を使いこなして思い通りの形を作るだけではなく、色彩感覚や繊細さ、センスを問われる仕事でもあります。そういった、熟練した職人技が必要とされる仕事で、なおかつ新幹線やロケットの部品など、最先端の製品にも使われる、世界に誇る日本の工業技術の1つです。
板金の仕事の中でも、自動車のボディを修理する板金は、へこみの修復などの他に塗装も行うので、板金塗装業とも呼ばれています。
この場合の板金作業は「形を整える作業」とも言うことができ、板金ハンマーと当て板を使用するハンマリングが代表的な作業です。スタッドと呼ばれるピンを溶接材とするスタッド溶接機を使ったり、はんだ付けを行って、パテと呼ばれる粘土のような物で形状を整えて微調整をすることもあります。また、本来のボディカラーに応じて塗料を調合し、目立たないように塗り直すのが板金塗装です。さらに、ボディパーツの部品交換作業や、塗装作業にともなう部品の脱着作業も板金工の仕事と言われています。

建築物のさまざまな場所で

一方、建築板金工は建築物の屋根や外壁などに金属の板を施工する職人のことです。木造住宅や店舗、倉庫、大規模なビル、工場などの屋根工事、外壁工事、樋工事、水回り工事などの施工を行います。特に昔は、板金と言えばイコール雨樋工事だった時代もあり、板金工イコール樋工というイメージもあったようです。その後、金属の用途が広がり、板金仕事の幅も広がりました。
工場で金属板を加工する作業もあり、仕事場は現場と工場の2か所ということになります。屋根に関わる作業が多いので、当然、現場は高い場所です。
その主な仕事を紹介します。

屋根工事

住宅などの屋根も金属製が増えていて、その屋根を葺くのも建築板金工です。昔は金属屋根と言えばもっぱらトタン屋根でしたが、現在ではアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のガルバリウム鋼板などが普及しています。防水シートを施工し、その上に金属板を施工します。
瓦屋根から金属屋根に葺き替える工事や、スレート屋根の上に金属屋根を重ね葺きする工事も建築板金工の仕事です。

外壁工事

金属の外壁材を張り、建物の軽量化と耐久性向上を図る工事です。外壁材は、昔はブリキやトタンなどが主流でしたが、現在ではガルバリム鋼板がよく使われるようになりました。工法ではボード状の金属製外壁材を貼っていく金属サイディングが一般的で、リフォームや新築に多用されています。

樋工事

昔は、板金工事と言えば雨樋工事を指し、樋工事は板金業者の専売でした。そのころ、雨樋はブリキ製でした。現在、雨樋は樹脂製が主流ですが、金属製もまだ使われていて、板金工が活躍しています。
また、建物内部に雨水が侵入しないための防水施工を雨仕舞と言いますが、この雨仕舞にも板金が多く使われています。雨仕舞は、水を浸透させない防水とは違い、雨水を外に排出することです。この雨仕舞は屋根の棟や、外壁と下屋根の接続部分などに施されます。棟とは、屋根と屋根の面が合わさる山状(角)の接合部分で、板金によってここを覆い、雨水の浸入を防ぎ、なおかつ屋根材を固定します。棟に使われる板金を棟板金と呼びます。

水回り工事

板金工事では、室内でもキッチンなどの水回りにステンレスを貼るなどの作業があります。具体的には、キッチンの上に設置されるフードダクト、ガス台などを囲む壁面などを主にステンレスで製作し、取り付ける工事です。ステンレスは耐食性、メンテナンス性が高く、こうした水回りや、雨風に接触しやすい場所によく用いられます。
また、フードダクト以外にも、空調経路を確保するための配管やダクトには板金工事が行われます。ダクトに使われる素材には、グラスウール、亜鉛鉄板、ステンレスなどがあります。

板金で取得したい資格

板金の仕事を始めるのに資格は必要ありませんが、板金の技能を認定する国家資格があります。住宅をはじめとした建築物にかかる板金工事の技能を認定するのが「建築板金技能士」で、工場板金に関する技能を認定するのが「工場板金技能士」です。

建築板金技能士の技能検定試験は「内外装板金作業」と「ダクト板金作業」に分かれ、内外装板金作業は1級~3級、ダクト板金作業は1、2級があります。

工場板金技能士は、主に工業製品に使われる金属薄板の加工・組立ての仕事を対象としています。技能検定試験は「曲げ板金作業」「打出し板金作業」「機械板金作業」「数値制御タレットパンチプレス板金作業」に区分されます。管理者または監督者が持つべき特級から1級、2級まであります。曲げ板金作業のみこれに加えて3級もあります。