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型枠大工の仕事内容

型枠大工

鉄筋コンクリートの建物を建てる時は、建築現場でコンクリートを固めて壁や柱、梁などをつくります。それからそれらを組み立て、建物にしていくわけです。この時、コンクリートを流し込む型枠という器をつくるのが型枠大工です。

高いレベルの技術が必要

まず、施工図面を見て柱、壁、梁などの形状、寸法、数量を計算して加工図を作成します。次に加工場で加工図に合わせて各パーツを作り、現場に運んで組み立てます。この時、施工図面を基にして、現場の床に型枠を組立てる柱、壁などの位置を記していきます。これを墨出しと言います。この印に合わせて、型枠を建てていきます。

型枠は、180×90cm・厚さ12mmの合板(コンクリートパネル=コンパネ)と、30×45cmの角材を釘でくっつけ、セパレーターで内外両面を一定間隔に保ってつくります。この時、コンクリートの重量で変形破壊しないように単管(鋼管)と鎖、支持鋼管で外側から圧縮力、または下方からの支持力をかけます。

さて、型枠ができたら、そこにコンクリートを流し込むのも型枠大工の仕事です。
コンクリートはセメントと水が化学反応して固まりますが、しっかりした強度を出すには時間がかかります。コンクリートを流し込む時に揺らしたりすると、コンクリートの強度が下がってしまうので、最大限の慎重な作業が要求されます。また、単管、つまり鋼管は分かりやすく言うと鉄パイプのことで、型枠を含めて重いものを使う作業が中心なので、それなりの筋力、体力が必要な仕事でもあります。

一般的に、流し込んでから1週間ほどで型枠を外します。これももちろん型枠大工の仕事です。ただ、コンクリート強度は温度や湿度、水分量にも左右されますので、“1週間ほど”はあくまで目安。また、型枠そのものがうまくできていないと、コンクリートの重みで型枠が崩れ、大きな労働災害に発展することもあり得ます。そもそも型枠ががっちりできていないと、コンクリートがしっかり強度を出すまでに振動などの影響を受けてしまいかねません。すると、コンクリートは本来の強度がない状態で固まり、構造上の欠陥が生じてしまいます。このように型枠大工は、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの骨組みをつくる上で、重要な役割を担っているのです。

型枠大工は高いレベルの技術が要求される仕事です。型枠の図面は非常に精密に作られ、その図面と実際の型枠の誤差も±3㎜以内に抑えられます。誤差が大きいと、見栄えだけではなく強度にも影響が出ます。図面から実際に型枠をつくるのは型枠大工の手ですから、そこにはコンピューター並みの精度が求められます。それだけに、型枠大工として一人前になるにも約10年かかると言われています。

また、型枠大工の仕事は、建物の建築現場だけが対象ではありません。家の塀、土地や道路を造成する際の土留めの擁壁、オブジェなど、コンクリートの構造物すべてに使えるのが型枠です。公園などにあるコンクリート製の遊具も、骨組みを作る際に型枠大工が形の基をつくっていることがあります。曲面の多い遊具は、特に型枠をつくるのが難しいと言われています。

型枠大工としてレベルアップ

型枠大工は無資格、未経験でも始めることができます。ですが、型枠施工技能士、型枠支保工の組立て等作業主任者などの資格があり、これらの取得を目指すことでプロフェッショナルとしてレベルアップできます。

型枠施工技能士

型枠を組み立てるための組立図を作成し、型枠を組み立てる技能を認定する国家資格で、1級、2級があります。1級の受験には7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験、2級の受験には2年以上の実務経験が必要です。

型枠支保工の組立て等作業主任者

型枠支保工とは、型枠を支持するためのもので、鉄パイプなどを使った仮設構造物です。この支保工がうまくできていないと大きな事故につながるため、作業主任者を置かないと支保工の作業はできません。型枠支保工の組立て等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者であり、労働災害を防止するために配置される人の国家資格です。型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により作業主任者として選任されることになります。