電気工の仕事内容
電気工
電光、電気工事士とも言い、住宅や店舗、工場などの電気工事をはじめ、電気にまつわる幅広い業務を行う技術者です。
さまざまに社会を支える
スマホやパソコン、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、調理器具、照明と、現代社会に電気は欠かせません。現代文明の根幹とも言えるのが電気です。それだけに電気工事の仕事は、社会を成り立たせる重要な仕事だと言えます。
電気工事の仕事は大別すると2つあります。建築電気工事と鉄道電気工事です。
建築電気工事では、一般住宅から工場、ビル、事務所、病院、ショッピングモール、官公庁の施設や教育施設などまで、あらゆる建設物の屋内外電気設備の設計、施工を行います。建物内の電気配線、配電盤や各種電気設備のすえ付け工事、コンセントや照明器具の取り付け、電球交換と、作業内容は幅広くあります。
鉄道電気工事は、その名の通り電車にまつわる電気工事です。
電気工(建築電気工事)の仕事の種類
さらに建築電気工事の仕事を分けると、おおまかに5つあります。
屋内配線工事
分電盤の取り付け、照明器具の取り付け、配線器具の取り付けが主な仕事です。配線ケーブルを壁の中に張り巡らせ、天井や壁の照明部、コンセント、スイッチなどにつなげます。
分電盤とは、それぞれの部屋に電気を分ける装置のことで、電気容量のチェックや屋内配線の安全確保などの機器も備えています。
敷地内に街路灯がある場合は、それも屋内配線の作業範囲になります。
外線の配線工事
電柱から建物へ電線をつなぐ作業です。電柱に登って配線工事の作業している風景を街でたまに見掛けることもあるでしょう。そのように高所作業が多いのですが、最近は景観への配慮などから電柱の地中化も進められています。
冷暖房設備
エアコンの取り外し、取り付け、クリーニングなどです。エアコン施工の専門業者もあります。
ビル管理
ビルに関わる電気設備、水道設備、空調設備、ボイラー、自動ドア、エレベーターなど、多種多様な工事や管理を行うビル管理の仕事も、電気工事の1つです。ただ、これを行うには消防設備士、ボイラー技士の資格も必要です。
送電
発電所から変電所までの送電線の張り替え・点検、設備の点検・交換といった仕事です。市街などへ遠く離れた場所にある発電所から送られる電気の電圧などの変換を行い、家庭や施設などで使えるようにします。
送電線の多くは山間部に設置された鉄塔によって張られていますので、交通の便の悪い場所での高所作業になります。
電気工(鉄道電気工事)の仕事の種類
鉄道電気工事の仕事は3つに大別できます。
変電設備工事
発電所から送電された電気を、電車の走行に適した電気の種類(電圧)に変える変電設備の建築、メンテナンス、管理などを行います。
線路設備工事
電車の動力や照明、空調といった電力を供給する線路設備の工事、管理が仕事です。
電車に電気を送るトロリ線、変電所からトロリ線に電気を送る電線、変電所までの送電線、それらを支える支持塔や、電車に合図を送る信号などの設備の新設、定期点検を行います。
駅設備工事
電光掲示板、改札、駅構内の照明、空調設備などの設備に関わる工事です。それらの新設、点検、メンテナンスを行います。
電気工事に必要な資格
電気工事の仕事をするには、国家試験を受けて電気工事士資格を取得しなければいけません。電気工事士には一種と二種があります。
二種電気工事士は、一般家屋、小規模商店など600V以下で受電する電気設備に関わる工事を行うことができます。一種は最大500キロワット未満の設備の電気工事作業まで行えます。具体的には、中小規模のビルや工場の屋内配線・受電設備配線などの電気工事に従事できます。
二種電気工事士になるには実務経験は必要ありませんが、一種電気工事士になるには必要です。ただ、電気工事の会社には「無資格・未経験でもOK」というところもあります。見習いの電気工事士として電気工事士の補助作業をしながら資格取得を目指します。
他にも、ネオン工事ができる特種電気工事資格者、工場、ビルなどの受電設備や配線、発電所や変電所といった電気設備の保安監督に携わる電気主任技術者、電気工事の工事計画や施工図の作成などを行う電気施工管理技士、それに電気通信工事担任者など、電気にまつわるさまざまな資格があります。