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測量士の仕事内容

測量士

建設・土木工事を行う土地について、位置・距離・面積を測量する専門家です。

位置や面積などを算出する

厳密には、測量士は測量法に基づく資格の名称で、測量計画を作製し、測量する人のことです。一方、測量士の作製した計画に従って測量するための資格を測量士補と言います。どちらの資格がなくても測量の仕事はできますが、建築・建設・土木の現場や地図製作など公共の測量業務を行うためには資格が必要です。土地家屋調査士の資格と両方取得していれば、測量から登記までを効率的に低予算で提供することができます。

測量の仕事とは分かりやすく言うと、土地の広さや起伏を測ったり、位置関係を明らかにすることです。そのために角度を測るトランシット、高低差を測るレベル、光を使って距離を測る光波測距儀などの器械を使ってデータを集め、それを元に測量図面を作成して位置や面積などを算出します。

測量は古代エジプトの時代から行われ、日本では江戸時代に伊能忠敬が行った、日本地図作成のための測量が歴史的に知られています。最近では人工衛星の電波を利用したGPS測量、ドローンなど、多くのハイテク機器が導入され、より簡単に、正確な解析が可能になっています。

また、建物の設計図面を元に、測量機器を用いて現場を測量し、基本・基準となる線を出すことを「墨出し」と言い、この測量を建築測量と言います。ただ、建築測量を行うのに測量士補などの資格は必要ありません。建築・土木工事で資格が必要なのは土地の測量を行う場合です。

作業としてはまず、2~5名でチームを組み、野外で測量機器を用いて測量を行います。これを外業と言い、街中や山中、海峡などありとあらゆる場所で行います。次に、集めたデータを持ち帰り、パソコンもしくは専門的な計算機を用いて分析、変換、加工を行います。こうした製図、測量データ分析から、測量計画、予算管理、機器調達までを含む、デスクワーク全般を内業と言います。

測量士の業務

測量の仕事にはさまざまな種類があります。

基準点測量

地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点・水準点・電子基準点などのことを基準点と言い、地図作成や各種測量の際の基準・基礎となります。三角点、水準点は石の柱やコンクリートの柱でできていて、多くが明治時代から大正時代に設置されました。基準点を新しく設置する場合や、移転する場合、再設置する場合などに測量を行います。

地形現況測量

土地の起伏や、その他の地形の特徴などをできるだけ忠実に表現した地形図をつくるための測量です。土地の標高および起伏の他、建物・道路・鉄道、その他の工作物の配置、土地利用の状況などを測量します。

土木測量

地上の地形と建物や道路などの構造物、土地の利用方法や水部との境、それらの位置関係、高さを計測して、数値化・図化します。建造物や道路を施工する際に必要となるものです。

河川測量

河川についての計画,維持管理などに必要な資料を得るための測量で、河川の改修工事などの際に行います。具体的には、地形測量,水位・水量観測,深浅測量,縦横断測量などを行います。縦断測量とは地形の縦断方向の断面図、横断測量は地形の横断面図を作成するための測量です。

境界確定測量

土地の境界を決めるために測量を行い、隣接地の土地所有者の立ち合い、了解で境界を決めることです。まず法務局で、依頼地や隣接土地についての資料の収集作業を行います。次に土地の状況について測量し、現況測量図を作成します。道路と依頼地について、境界が確定しているかどうかの調査も行います。それから、法務局資料や現況測量図を用いながら、隣接土地所有者の現地立会の上で境界を確認します。最後に境界標と呼ばれる目印を現地に設置し、筆界確認書を作成します。
ただ、この境界確定測量は「登記」の専門家である土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。

また、測量方法にもさまざまな種類があります。

三角測量

三角形の1辺と2角が分かっていると、残りの1点の位置が確定できるという三角法を利用した測量方法です。

多角測量

ある1点から出発して、見通しの良い次の点までの距離と方向角を測定し、これを定められた終点に到達するまで繰り返していく測量方法です。三角測量と並んで基準点測量の主要な方法とされ、市街地内での測量などに広く利用されています。

汎地球測位システム測量

人工衛星が発信する電波を使って緯度、経度、高度などを割り出せるGPSを使った測量です。既設基準点と新しい基準点にGPS観測機を設置して測量します。

水準測量

地表の各地点の高さを求める測量で、直接水準測量と間接水準測量に大別されます。直接水準測量は、2地点に標尺を垂直に立て、中間に置いた水準儀との差から高さを求めます。標尺とは、精度の高い目盛りの付いた物差しです。山頂の高さなど、直接標尺を立てていると能率が悪い場合は、計算を用いた間接水準測量を使います。

その他、地形現況測量を行う方法として平板測量や写真測量、数値地形測量などがあります。
平板測量は現地で、アリダードと呼ばれる測斜儀を用いて、所要の縮尺で平板上に地上と相似の図形を描く方法です。写真測量には、航空機から撮影された、連続する空中写真を使う空中写真測量や、衛星画像を用いた衛星写真測量、地上で撮影された写真を用いる近接写真測量があります。また、数値地形測量は、距離を測る光波測距儀と、角度を測るセオドライトを組み合わせたトータルステーションなどを使用した測量です。さらに、航空機搭載あるいは地上設置のレーザスキャナによる測量や、GNSS(衛星測位システム)による測量で地形図が作成されることもあります。これら複数の測量方法を組み合わせて地形測量を行うこともよくあります。