空調設備工の仕事内容
空調設備工
室内空気の汚れを取り除き、温度・湿度を自動的に調節する空調設備の取り付けなどを行う技術者です。
対人と産業に大別
空調工事とは、エアコンの新規設置や増設・移設・入れ替え・撤去から、換気扇や空気清浄機、排気ファン、空調ダクトなどの空調設備に関する工事まで、空気調節、空気調和に関わる工事全般を指します。温度、湿度、風量、換気などをタイミングよく調整する空調機、エアコンからの排水を室外に出すドレン配管、換気をしながら冷暖房の熱を回収してムダを防ぐ全熱交換機、冷暖房・換気・排気などのための空気の通路であるダクトなどの取り付け、メンテナンスなどを行います。
空調設備には対人空調(保健空調)と産業空調があります。対人空調は、人間の健康の保護と快適性のための空調で、室内の快適な温度と湿度を保ち、空気の汚れを取り除きます。事務所、商業施設、ホテル、病院、学校などが対象です。
一方、産業空調は室内で生産または保管される物品の品質管理や品質保持、機器類の機能維持を目的とし、対象となるのは工場、食品貯蔵庫、農園芸施設、電算機室などです。電子工業用のクリーンルーム設備がその1例です。半導体集積回路、液晶パネル、プラズマパネル、マイクロマシンなどの製造工場では、塵など空気中の浮遊微小粒子も管理されて清浄度が保持されます。
空調に必要な設備
対人空調に必要な設備は「熱源設備」「熱搬送設備」「空気調和設備」の3つからなる建築設備です。
熱源設備には、冷熱源と温熱源があります。冷熱源は冷凍機などの冷水を作る装置で、温熱源はボイラーなど温水や蒸気を作る装置です。熱移動によって冷却させたり、加熱させたりできるヒートポンプのような、冷温熱源もあります。
熱搬送設備は機器から機器、または機器から室内へと熱を搬送するための配管やダクトなどのことです。
空気調和設備は名前のとおり、空気を調和させるための機器で、水・冷媒・蒸気・空気との熱交換を行う冷却・加熱コイルや、加湿を行う加湿器、それにエアフィルター・送風機などで構成されます。
また、空調設備は時間が経てば内部が汚れ、劣化します。そのため設置して終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要です。
空調整備工になるには
空調整備工専門の資格はありませんが、配管に関わることから管工事施工管理技士、エアコンの工事のために電気工事施工管理技士や電気主任技術者、電気工事士の資格があると良いでしょう。また、暖冷房・換気、給水・排水、衛生設備などの設備やその仕組み・原理などを扱う学術団体「空気調和・衛生工学会」が技術者としての基礎的・専門的な技術・知識の習得度を認定する学会設備士の資格を発行しています。
この他、業務用の空調・冷蔵庫・冷凍庫の管理ができる冷凍機械責任者、熱源機器を扱うためのボイラー技士といった空調関連の資格があります。